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解放されたい、と思って修行の旅と称してインドやセドナチベットに行ったりする人がいる。気分転換にはいいだろう。旅行は仕事や単調なくり返しからなる生活をリフレッシュするには最適なレジャーと言える。しかし、カルカッタで果てしない喧噪にまみれセドナでどこに行っても出くわすスピ商売にげんなりし、ラサで人民解放軍にからまれてヘトヘトになって帰ってきて「やっぱり家が一番ね」などとつぶやきながらあなたは何もかわっていない自分自身に気づくだけである。

どこにも行く必要はない。むしろ現在に強烈にフォーカスをあてて、どこでもいいから今いる場所・時間に居続けることが必要だ(それは瞑想の本質と言える)。それができれば騒がしい都市にいようが、人の住まない荒れ果てた原野にたたずんでいたとしても、あなたがいるところが聖地であり地上で唯一無二の寺院である。