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私たちは奴隷である。何の自由もない。金、ステータス、権力とそれに対する欲望に絶対の忠誠を貫いている。目の前に吊り下げられたニンジンを追ってどこまでも走っていくマンガでよく出てくる馬みたいなものだ。権力や金を持っている人もいるが彼女/彼らとて例外ではない。今までに得た食べきれないほどのニンジンを奪われないように必死になって守り、減らないようにさらにニンジンを得ようとしてどこまでも走っていく。

ときどき走り疲れて「このニンジンは手に入らない」「ニンジンを手に入れても幸せにはならない」と気づく馬がいる。そういう馬はニンジン争奪レースから脱落する。そうなればしめたもので、足元は肥沃な大地である。いくらでもある栄養豊かな草を食んでそこにいればよい。